面接編
面接時のマナー
企業は、「面接」の間だけ応募者を見ているわけではありません。よい人材を得るために、応募者についてできるだけ多くの情報を得ようとするでしょう。よって応募者は、面接以外の場面でも、さまざまな角度から観察されていることを意識しておく必要があります。とくに注意したい面接前の行動から大切なポイントを整理してみましょう。
面接までのマナー
絶対に遅刻しない
遅刻は厳禁です。もし1分でも遅れれば、「入社しても、大事な仕事で遅刻するかもしれない」と信用を失ってことも。企業が、自分のために面接の時間を割いていることを念頭におき、会場には10分程度前に着くとよいでしょう。あまり早く着きすぎるのは失礼にあたりますし、ギリギリの到着では焦っていい面接にはならないかもしれません。事前に交通手段や場所を確認しておくことはもちろん、できれば一度下見をしておくと当日気持ちに余裕ができるでしょう。
会社に入る前に身支度などを再確認
会社に着いたら、身支度を整えている時間はほとんどありません。そこで会社に入る前に、いま一度、身だしなみを確認しておきましょう。事前に、鏡を見ながらチェックしておくのもよいでしょう。コートを着ている場合は脱いでからから、会社に入りましょう。また、携帯電話の電源は会社に入る直前に切るのを忘れずに。それまでは万が一のために連絡がつくようにしておきましょう。
受付では明るく挨拶を
受付を訪ねたら、「本日、○時に面接を受けさせていただく○○○○と申します」と自分から名乗り、面接に来たことを明らかにします。「受付の人も面接官」と思い、明るく挨拶をすることが大切です。少人数の会社などでは、本当に受付をした人が面接官として現れることもあります。また、会社内で社員の方に出会ったら、立ち止まって元気に挨拶をしましょう。
他の応募者とムダ話をしない
たとえ小さな話し声でも、控室のような場所では目立ってしまいます。応募者が何人もいる場合は周囲の迷惑にもなるので、ほかの応募者とは会釈程度で済ませておきましょう。
携帯電話を持ち出さない
会社に入る前に携帯電話の電源は切り、カバンに納めておきましょう。控室でメールを確認するようなことはしないほ方がよいでしょう。時計代わりに携帯電話を使用することも採用試験では避け、必ず腕時計を携帯しましょう。
本や雑誌を読んだりしない
待っている時間は休憩時間ではありません。自分の本や雑誌は、持っていてもカバンから出すことは控えます。ただし、企業から会社案内や資料が渡された場合は、それらを読んでいても構いません。
無礼な姿勢・態度を取らない
控室ではリラックスし過ぎずないようにしましょう。足を組んだり、イスに踏ん反り返るような座り方をすると、横柄に見えるので注意です。
イライラしたり、落ち着かない態度を取らない
緊張して落ち着かなかったり、待たされてイライラした態度を取ると目につきやすいです。待っている時間は、面接に向けて気持ちを落ち着けることに使いましょう。
面接中〜退室時のマナー
控室で名前を呼ばれたら、「はい」と明るく返事をし、指示に従って速やかに面接室に移動する。
案内係の人が先導してくれる場合は、横に並んで歩くのではなく、一歩後ろについて歩くようにしましょう。
面接室の前に着いたら、ドアを3回ノック。中から「どうぞ」と応答があったのを確認してから静かにドアを開け、「失礼します」と一礼して部屋に入り、静かにドアを閉める。
ドアを開けながら慌てて頭を下げてしまうと、採用担当者は応募者の顔より先に頭を見ることになってしまいます。ドアを開けたら、まず一度採用担当者の目を見て、それから「失礼します」と一礼し、もう一度採用担当者に顔を向け、入室します。この一連の動作を落ち着いてこなすことがポイントです。
ドアを閉めたら、ドアの前で採用担当者に向き直り、「○○○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」と名乗って一礼する。
このときも、採用担当者の目を見て名乗りましょう。目を見ていなかったり、顔が下向きだと、受け取られる意欲が半減してしまうことも。
「どうぞ、おかけください」と勧められたら、示されたイスの横に立ち、「失礼します」と一言添えて腰かける。
必ず勧められてから着席しましょう。
緊張を解くこの一言!
緊張のあまり思っていることをうまく説明できないときは、自分の言葉で自分を落ち着けてみましょう。「少し緊張しております。申し訳ありません」と素直に伝えてみることで、そこからスムーズに話ができる場合もあります。面接で緊張するのは当たり前。当たって砕けろの精神で、飾り気のない自分らしい言葉で話せば、その誠意は必ずや面接官に伝わるはずです。
控室と面接室が同じ場合は?
最初から面接室に通され、採用担当者が後から入室して面接が行われるケースも多いです。この場合は、待っている間は、時間まで静かに待ちましょう。採用担当者が入ってきたら、すぐに立ち上がり「○○○○です。よろしくお願いいたします」と名乗って一礼します。またこのとき、「どうぞかけてください」といわれるまで着席しないように注意しましょう。
形式通りにいかない場合も落ち着いて!
「マニュアルに習い、事前に練習を重ねて臨んだのに、行ってみたら勝手が違って動揺し、うまくいかなかった」という場合もあるでしょう。応募者が100人いれば、100通りの面接があります。マニュアルで基本を踏まえ、自分の経験で応用することが大切です。
背もたれに寄りかからず、背筋を伸ばし、肩の力を抜き、脇をしめて着席する
男性の場合は、足を軽く開き、手は太股の上に載せます。カバンはイスの脇に置くとよいでしょう。女性は足先まで揃え、手は重ねて太股の上に載せます。カバンは背もたれに置いて座るとよいでしょう。自己アピールのための資料や作品は持参してもよいが、その場合は最初にその旨を申し出ておきましょう。
話すとき聞くときは担当者の目を見て
面接する採用担当者は一人のときもあれば、数人の場合もあります。話を聞くときは、話をしている担当者に目を向けましょう。反対に自分が話をするときは、均等に目を配って、全員とアイコンタクトがとれるようにしましょう。
採用担当者の話が終わるまで、集中してしっかり聞く
途中で言葉をさえぎってはいけません。もし聞き取りにくかったり、意味がつかみにくい場合は、話が終わってから「すみません、もう一度おっしゃっていただけますか?」「それは○○○○ということですか?」などと確認しましょう。よくわからないままに応答してしまうと、「適当に答える人」と見なされてしまうので気をつけましょう。
面接の終了が告げられたら、イスから立ち、「本日はお時間をいただきまして、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします」と一礼する。
あわてず、落ち着いて静かに立ち上がります。次に姿勢を正し、お礼を述べるようにしましょう。
ドアまで進んだら、再度振り返り、「失礼いたします」と一礼してドアを開けて退室し、静かにドアを閉める。
最後の最後に気を抜いてしまい、ドアを思いきり閉めてしまったりと、意外なところでミスをしてしまうので注意。また、外には案内係の人がいるかもしれません。ドアを閉めた途端、ため息をついたり、態度をリラックスさせたりせず、会社の外に出るまで気を引き締めていましょう。