製造業
100年以上続く、
木工職人集団!
武藤工業株式会社
ベテランだけでなく、
若き木工職人が活躍中。
「木のぬくもりを暮らしに。」をモットーに木製の家具・建具の製造をはじめ、木工事やサッシ工事など、木にまつわるさまざまな業務を行っている武藤工業。その歴史は100年以上前から続き、高い技術を誇る職人集団として知られています。木工職人というと年齢を重ねたベテラン…というイメージが強いですが、工場にお邪魔すると若い職人さんたちの姿がちらほら。2019年1月に入社したという期待の新人の宮嶋恵輔さん(30歳)、妙中優里さん(30歳)がお話を聞かせてくれました。
最初は図面の見方も分からなかったという宮嶋さん。
ものづくりが好き、
という共通点を持つお二人。
宮嶋さんは占冠村のご出身。南富良野高校を卒業後、赤平でしばらく働き、芦別市にある建材の製造企業に転職しました。
「僕は接客が得意ではなく、ものづくりの仕事は向いていました。けれど、赤平からバスを2本乗り継いで芦別に通っていたので、時間も交通費も相当かかってしまい…。実は以前から木工のプロ集団として武藤工業が気になっていたので、求人情報を見つけた時には一も二もなく応募しました」
一方の妙中さんは神奈川県横浜市に生まれ、美術系の大学を卒業後に北海道に渡ってきました。最初の勤め先は金属工芸品を手がける定山渓の小さな工房。
「大学でも工芸品づくりを学んでいたので、バーナーで金属を溶接したり、薬品を使って着色したりする仕事は面白かったです。ただ、結婚を考えている人が滝川に住んでいるので、将来を見据えてコッチに引っ越すことにしました。周辺でものづくり関係の仕事を探していたところ、家具や建具だけでなく、木のおもちゃなども手がけているユニークな会社を発見!それが武藤工業だったんです」
ヤスリがけが大好きという妙中さん。
あたたかな先輩・上司に見守られながら
技術を磨いていける環境。
お二人の入社はほぼ同時。まずは先輩から道具の安全な使い方やヤスリのかけ方、材料となる木の種類などをイチから教えてもらったといいます。
「先輩方がやさし過ぎてビックリ(笑)。分からないことを尋ねると、作業の手が止まるにも関わらずイヤな顔一つせずに答えてくれるんです。しかも、木材の端をキレイにそろえたほうがヤスリをかけやすいという基本中の基本から教えてくれました(妙中さん)」
その言葉に宮嶋さんも深くうなずき、こう続けます。
「とにかく安全を第一に、十分なゆとりを持たせて仕事を割り振ってくれます。棚や戸の製作の簡単な作業でも、『3日間かけてじっくり作って良いからね』と急かされることはありません。先輩に手取り足取り教わりながらではありますが、自分が加工した木材が形になると達成感を覚えます(宮嶋さん)」
工場内の和気あいあいとした雰囲気や体調に合わせた働き方ができる柔軟性にも大満足だと声をそろえるお二人。妙中さんは以前に比べて休日も増え、健康診断をはじめとする福利厚生が充実しているところにも安心していると微笑みます。
「新人でもチャレンジしたいと発信すれば積み木づくりにも挑戦させてくれる…そんな社風がやる気につながります(妙中さん)」
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先輩から工具の使い方を教わる妙中さん。
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木材をチェックして運んでいるところ。
難しさを感じることもあるけれど
仕事の幅を広げていけるところがやりがいに。
お二人の話を聞いた後、他にも若手が活躍していると聞いて訪れたのが奥のサッシ工場。
「ここからは僕がサッシ工事について紹介します」と笑顔で出迎えてくれたのが、福士風汰さん(20歳)です。子どものころから手先が器用だったため、それを生かせる職場を求めて武藤工業に入社しました。
「入社1年目は図面の読み方や書き方などを学び、2年目の今年からサッシ工事を担当しています。仕事はガラスサッシの新設や交換がメイン。工務店からの依頼で建物に必要なガラスサッシを組み立てて設置をしたり、一般のお客様からも『家のガラスが割れたから交換してほしい』などの依頼を受けて現地で交換したりします」
福士さんによるとサッシの仕事は現場中心となるため、工場にいることのほうが少ないそう。工事内容を直接顧客に説明するケースも多く、コミュニケーションの重要性を痛感していると話します。
「サッシの組み立てなどはものづくりをしている実感があって楽しいのですが、お客様への説明は正直まだ苦手(苦笑)。とはいえ、工事内容などをきちんと理解してもらわなければならない場面は多いので、どうやって伝えれば良いかを模索するこのごろです。それでも最近は自分にできる仕事の幅が広がってきているんです。自分の成長を実感できるところに仕事の面白さを感じていますね」
サッシに合わせてガラスを加工する福士さん。
工場には心地よい木の香が漂っている。
重い木材は男性社員が運ぶのを手伝ってくれるとか
「器用さよりも慎重さが大事」と宮嶋さん
工場内はいつも和気あいあい
木の温もりを生かしたオリジナル玩具も製作。
営業部長
高田 康平さん
人材育成では結果を急がず、
一人ひとりの「考える力」を育んでいます。
武藤工業で扱う製品に規格品は少なく、お客様の要望に合わせて一から製作するケースがほとんどです。製品によって製作手順も異なりますから、同じ作業の繰り返しということがありません。もちろん、基礎となる技術をしっかりと身に付けることは大切なのですが、それ以上に重要なのが応用力。身に付けた技術でニーズに応える「考える力」を育むことを人材育成のテーマとしています。
応用力を育むには当然時間も必要ですから、急いで結果を求めようとは考えていません。一人ひとりの個性や適正、向き不向きなども考慮しながらじっくりと育てていきたいと考えています。
武藤工業株式会社 | |
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住所 | 北海道赤平市幌岡町51番地1 |
電話 | 0125-32-2161 |
URL | http://mutouco.com |
代表者 | 武藤 哲雄 |
創業年月日 | 1908年5月 |
資本金 | 11,368千円 |
従業員数 | 21名(2019年1月1日現在) |
事業内容 | 建具(木製、金属製)、家具の製作販売及び取付工事、建築工事業、ガラス工事業、内装仕上工事業及び建具工事業、建築の設計及び工事監理、室内装飾の設計施工、各種ガラス及びガラス製品、アルミサッシの販売、教育機器、機材、運道具、図書及び定期刊行物の販売、事務用機器等の販売、調度品、文具、用紙類の販売 、木のおもちゃの制作・販売 |
【2019年05月23日更新】